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初歌集『パリ日乗』の上梓され 反響のありやまた無しや? (10月03日)(月)

 現在、テレビとインターネットを除いた日常生活は、考えられなくなった。
 「小泉劇場」の主役、小泉純一郎首相は、テレビとインターネットの役割を完全に駆使して成功した。
 解散直後の記者会見で「それでもガリレオは、『地球は動く』と言った。国会は郵政民営化は必要ないという結論を出したが、もう一度国民に聴いて見たい」
 8月8日の午後の思いつめたような小泉首相の言葉に、国民は酔った。稀に見る高視聴率だった。
 
 小泉首相は、自分をガリレオと言う受難者である歴史上の大科学者に擬えた。
 続いてすべてのマスコミがこの「ガリレオ発言」を取り上げたから、毎日テレビを見ている一般国民は「自分こそが選挙で郵政民営化と言う地動説を支持することを、小泉さんから求められているガリレオなのだ」と思い込んでしまった。
 
 小泉首相は、正に、ここ数年間に急上昇してきた「薄型大画面テレビ型政治家」になった。
 小泉首相の「ワンフレーズ発言」や「感情的な短時間のパフォーマンス型演説」には、岡田卓也氏の「論理的、説得型演説」は対抗出来なかったのである。
 
 政治家の命は、「雄弁」「能弁」である。特に「テレビ時代」の現在では、感情に強く訴える「テレビ型視覚的雄弁」
に聴衆は魅了される。
 小泉首相の使い分けのうまい雄弁には、基本的な年季が入っている。
 急激に様変わりつつある、日本の政治風土と選挙戦が今回の「小泉劇場」を見ていると分かってくるのである。
 
 拙著 歌集『パリ日乗』が完成して9月末に歌壇の一部に配本されて、いろいろと反響を呼んでいる。
 誠に有難いことだが、ここで『パリ日乗』(四〇〇首)の内「パリ日乗」(二五〇首)の一部を紹介する。
 
歌 集『パ リ 日 乗』(四〇〇首)
 
目  次
 
 「パリ日乗」(二五〇首)
再  会
回  想
墓  所
色即是空
日  乗
凱旋門・ノートルダム
セーヌ河畔
コンコルド・オペラ周辺
シテ島とセーヌ左岸
ルーブル
ピカソ
巨匠たち
マルメゾン・ヴェルサイユ
離  別
 
 「イタリア慕情」(一〇〇首)
ミラノ
フィレンツエ
ヴェネチア
ローマ
 
 「ロンドン逍遥」(五〇首)
 
あ と が き 
 

「パリ日乗」
 
再 会
ユーロスターよりパリ北駅の降り立ちに想いの巡り胸迫り来る
北駅の雑踏の向こうを見上ぐればサクレクール寺院の白き尖塔
ひさびさの駅前広場パリ嬉し笑顔のひとはサ・ヴァと出迎う
セーヌ河渡りて鳥の一羽舞い二羽の立ち舞い群れ移り行く
地下鉄の階段降りてカルネ買う駅員の声メルシイ・ビアン
 
地下道の熟れたる匂い親しかる暗きホームに酔いどれひとり
轟音を立てて地下鉄入りけりドアを開くにエッと意気込む
階段を上がる勢い肩が触れパルドンと言う習慣のよし(パルドンは失礼します)
道端のカフェで飲むカルヴァドス渋き香りも久しぶりなり
ビストロに入りてヴァンの名を告ぐにギャルソンの声鸚鵡返しに
 
回 想
 
フランスの自由博愛平等の実態はユダヤを差別し圧迫す
反ユダヤ身分差別は無き建前裏に回ればラシズム激し(ラシズムは反ユダヤ主義)
反ユダヤ反イスラムの世論作り文明の衝突自由パリでも
アフリカの黒人多く留学のアッラーの教え学舎のなかでも
アルバイト汚物処理も是非もなしアフリカ人の留学生ら
 
アルジェリア独立闘争流血の日々の戦いに化粧忘れぬ
教会のイエスの像の裏側に落書きありて小便の匂いす
地下鉄のホームに男ひとりして警官ふたりと乱闘をせり
学窓の思い出深し下町のカルチェラタン匂いも新た
右に揺れ左に揺れし学窓に燃えたぎりしは遥か昔ぞ
 
六〇年代ヴェトナムソ連アルジェリア学生紛争に左右衝突
ベルリンの壁を作りしはフルシチョフ東西冷戦真っ唯中に
ラシズムの脅威を懼れしパリ社会ユダヤのひとは身許隠せり
学究の生活楽しく束の間のあっと言う間に歳月飛びき
ランボーに悩みひねもす格闘せしパリ大学の階段教室
 
仏文科言語不理解難行のボードレールに日々に悩みき
六〇年代は実存主義の全盛時サルトル、カミュの論争激し
向かい側サンドとショパン住みし家いま図書館の事務所と残る
パンテオン脇の我が家は古えにリルケが住みしアパートの前
五フランの昼飯を食み通学の苦しかりける思い出いまに
 
墓 所
 
世騒がせサルトルとボーヴォワール夫妻のモンパルナス墓地にし眠れる
強烈な印象残し去りしひとジーン・セバークも花に埋まりぬ
青春の心捉えしボードレール墓所に石ころ積み上げ溜まれり
絢爛の生きたる姿そのままにダリダの墓所は舞台衣装で(ダリダは歌手)
自然主義文学残してモーパッサン、モンパルナスの墓地の中ほど
 
ペーラシェーズ公園墓地の門近くショパンの墓に花束の山
バルザックの墓所を探してひと巡り木陰に座りカフェを飲みぬ
モジリアニの墓を探すに夕暮れのペーラシェーズに暗き外灯
ドラクロワ道路の目立つ角に立つ生きいたる如く黒光りして
ここにありと存在示す貫禄にオスカー・ワイルド肩を怒らす
 
モンタンとシニョレ夫妻の墓ひとつ死して仲直りせるやせざるや
ゾラの像威風堂々胸を張りてモンマルトル墓地の正面に立つ
ハイネの詩口ずさみつつの墓参りスタンダールも共に眠りて
伝説のオッフェンバッハ「天国と地獄」の曲が聴こえくるかな
パリうれし三つの墓地を巡るにも夢の小説いくつも書ける
 
色即是空
 
合コンの夜通し荒れて喧騒の酔いに覚めたり朝見知らぬ女と
生意気な実存主義の議論の果て酔いどれ潰れ膨れたる顔
今朝まではあかの他人でありけるが夕餉は共に同じ部屋にて
パリの朝カルチェラタンの巡り会い恋慕募りて共に棲まいぬ
学窓の悪き仲間の評判すアフリカ女性技巧たくみと    
 
秋の日にきみと暮せしカルチェラタン食材を求め朝市歩む
睦みあう前戯もなくて時過ごせし青春の頃空腹のまま
裏通り向こうの窓のカーテンが動くに全裸の男女激しく
朝晩に肌を合わせしきみの声遠くに聞こゆ学舎の庭に
水道が破裂しバスタブ満杯を知らざりベッドに激しく軋み
 
昼もなく夜もなきままの貪りに月曜の夕漸く起きぬ
日毎にし感じ合う場所理解しぬ色即是空空即是色
睦みあい感じると言う乳房に我の噛みしか歯型残れり
好みたる夜毎の体位気に入らず争いともなり仲直りしき
怒鳴りあい叫びあいして愛憎の細かきことで別れ話に
 
仲の良き男女たりとも生きざまの人種風俗習慣異なる
学園の紛争と同じ同棲の歪みも出でて感覚ずれぬ
夫々の事情がありて是非もなし別れしことは運命なりしか
安下宿きみと過ごせし日々の果て別れし後はエルサレムへと
きみと別れ肌のぬくもり忘れかね往時の宿を訪れにけり
 
日 乗
 
パリのスリ巧妙となれば油断なく持物防禦すオーラッラー
ガラス屋根十八世紀から続くギャルリーパリの旧き名物
バスチィーユ広場に面し巨大なるビル建ち並び面影もなし
中華街はパリもロンドンも皆同じ逞しき華僑に脱帽をせむ
ユダヤ街歩きてものの三分に貴金属店が軒を並べつ
 
フランスには二千種以上のチーズとぞ無眼耳鼻舌身無限界
町中を歩めば獣の匂いせりフランス人は肉食動物
乾燥の空気のためにパリジャンは風呂に入らず香水発達
サンジェルマン・デプレの角のドーマゴにサルトルも居き赤き入口(ドーマゴはカフェ)
地下鉄の通風口の暖かく乞食が居りて手をば差し出す
 
人前でキスして誰も咎めなく家では案外保守的家庭
サロンドテ優雅に過ごすひと時のタルトの味覚今も変わらず
フランスの日常生活を左右する付加価値税は一八%
シンプルとオリジナル性強調すパリの職人誇りの高し
セレクション存在価値の抜群の裏路地奥にジュエリー工房
 
踊り子ら仕事終わりて家近くカフェに集い誕生祝いす
日曜のミサの帰りの昼さがり寛ぐ時はいと円やかに
にわとりを丸ごと買いて長時間煮込みココオヴァン夕食とする
ココオヴァン、フランス人の夕食の味付け極意は母から娘へと
ステーキの善し悪し定めに時間かけて財布に結局安価求める
 
日常のパリの暮らしに馴れて来て隣近所と笑顔交わせり
フォアグラをソテーしパンに塗りつけてカフェオレとの朝の食卓
遊覧船ただ乗りするに秘訣あり悪しき学生密議し実行
地下鉄を無賃乗車専門の学生ついに拘留されぬ
異国にて共に暮らせる一年の別れし後のきみに逢う無し
 
街角に道を聞かれることしばしパリはつくづく国際都市なり
パリの町ドーナツ状の拡がりにイスラムの如き建物並ぶ
マロニエの緑葉高く伸び揃い藍の空にも染まり行くなり
緑濃きセーヌの支流ル・ラボワはビル建ち並ぶ新開の土地
パリ市内粗暴不器用運転に車溢れて全て違反に
 
学期末職探しして友人のつてで得にけり塗装屋の職
塗装屋の仕事は疲労が蓄積し葡萄酒会社が楽で単純
年毎の豊作不作さまざまの葡萄酒会社に我は勤めぬ
パリに住み学ぶは芸のもの凄き怨憎夜叉の生き残り競争
阿鼻叫喚激しき生存競争に絵画の世界も無限地獄に  
 
フランスの絵で身を立つる険しさは煉獄地獄夜叉の如くに
苦学して果てに功無く無念にも自裁せる友を野辺に送りぬ
若き夢破れて空し人生の三十年は夢のまた夢
苦学生集いて悪しき試みの密議がばれて逮捕事件に
パリ画壇ひとさまざまに入り乱る人間模様に地獄極楽
 
画家の道後援者つかむ競争に敗れし人の酒びたり見つ
腕ひとつ絵画の道の風雪は波乱万丈櫛風沐雨
三十年パリで苦労せし無名画家性格変わりてただ喚くのみ
苦労せし挙句の果てに妻の死に会いたる男あと追い自裁す
画材屋に借財残し死せる友に替わりて払うお人良しおり
 
散歩道歴史建築芸術の伝統の街もけものの匂い
バスチィーユから歩みて近き古えのメニルモンタンは石切りの町
ブローニュの森にロンシャン競馬場今日も破れてメトロで帰宅
パリに住み家賃契約電気ガス医療保険に近所付き合い
セーヌ河昇り降りの狭間には花びら飛びてヴァンのグラスに
 
人生は宿命抱え誰もなお生きとし生きて価値あるものぞ
誰にでもひとに言えない悩みあり生きるに喜び悲しみ深し
パリジャンはバカンスの事ばかり言い南仏の空眺め嘆息
パリに住み苦労しつつも励む芸今も昔も誰も変わらず
ホテル内偶然逢いし友人の夫人と違う女性ともなう
 
物価高ああしてこうしてこうなると懐具合の計算をせし
工事屋が来てくれぬまま年を越し壊れ放置し電気を使う
下水道古き工事のそのままに時代遅れの匂いを放つ
タクシーの逆走するに驚きぬカミカゼの如きパリにもありぬ
パリに来てひとや獣の匂い嗅ぐ懐かしさ溢れしばし佇む
 
パリの空曇りの中に晴れ間あり寺院の屋根を鳥の飛び舞う
パリに居て石畳歩き小休止カフェの一杯が心和ます
パリジャンの日常食事質素なり固きビフテキとポテトのフライ
フランスの料理は主婦の腕にして個性を持ちて独特の味
パリの華エステと共にヘアサロンに一日過ごす女性も多し
 
中華街で買いたる家具は頑丈にて気楽に使えて儲けものなり
レンタカー期限が切れのままにしてトラブル起し急ぎ返還
日本より厳しき自然欧州の風雪に耐え人ら生き延ぶ
世界一旧きビジネス今もなおパリ裏道にはミニの女性が
誘蛾灯の下に女たち集いピンクの街の闇に春売る
 
ピンク街昼も見まがうネオン咲き男と女の駆け引きの時
夜更けて花々の咲き裏通りずらりと並ぶその筋の女
豪勢なミンクコート一枚の下に何もなく全裸の女性
夜更けてパリの盛り場不夜城は色々イロと相も変わらず
人生は波あり谷あり吹雪ありパリの住まいに天命を知る
 
 離 別
 
化粧する女人の肌の艶めきて部屋着に薫り色香漂う
ベゼーすに作法色々教わりしパリ空の下セーヌは流る
アンブラッセ溜まる話題に時間なく瞬く間にもひと夜過ぎ去る
寝室のシーツたたみて移り香の別離と言う名のほのかに残る
思い出は心ににがしアパートの窓辺に女人の影を送りぬ
 
夏終わりつかの間の恋散り去りぬ残りし肌の薫り仄かに
パリの愛生まれて消えるうたかたに成就不能の泡となりけり
窓越しに郊外へ行くパリメトロ別れしひとの姿眺めつ
欲望という名の付き合い束の間のいまは忘却灰となりたり
今にしてパリのアルバム眺むればすべて幻影のごとかりき
 

 
 20ー29度C 晴れのち曇り 午後にはポツポツと来た。
 8時30分 トーヨーで打ち合わせ 8時45分 区へ 打ち合わせ 架電 来電 執務 
 13時 退庁  14時 案件があって、熊谷、栗田、鈴木、吉田氏らと要談(トーヨー)
 16時 木之内氏と案件があって要談(区内) 18時 鵬悠会に出席する(錦糸町・デカンタ)
 夜は山本一郎「俺様国家・中国の大経済」を読む。

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